はじめに
こんにちは。Team 9629 Hibana Technologyです!
私たちはアメリカの法人FIRSTが主催するFRCという国際ロボット競技会に参加している中高生20名のチームです。FRCは世界26か国からなんと8万人以上が参加している大規模な大会です。ロボットの技術力を競うだけではなく、STEM教育の普及や社会貢献活動などをチームとして行うことが重要視されている大会です。
詳しくはこちらの公式ホームページで↓
たった3カ月の製作期間の間に、ルールブックの読み解きからプロトタイプの作成、および回路設計・プログラミング、そして大会まで一気に駆け抜ける、スピード感のある楽しい大会です。このビルドシーズンの間に仲間たちと議論を重ね、一つの最高のロボットをつくり出す唯一無二の本当に楽しい大会です。
ただ、このFRCの大会に参加しているチームはアメリカに2000チーム以上あるのですが、日本にはまだ6チームしか存在していません。知名度の低さ、参加費の高さ、そして多くの情報が英語で提供されているのが理由ではないでしょうか。
シーズンが始まった1/7から大会に参加していますが、一つの大きな障壁となるのが英語で書かれた100ページ以上にわたるルールブックです。他にもネット上に多くの情報が投稿されていますが、それらはほとんどが英語で、日本語での技術公開はほぼ行われていません。
そこで私たちはチームとして、日本語でFRCのロボットの製作の技術公開を行うことにしました。今回は1月に発表されたルールを日本語で解説していこうと思います。
2024 CRESCENDO
FRC の大きな特徴として、 毎年ルールが全く違うというものがあります。毎年1月の第一土曜日に世界同時に配信が行われ、ルールが発表されるというという特徴があります。
2024/01/06 に全世界同時に配信された今年のルールがこちらです。
ゲームが行われるのはバレーボールコート一面ほどもある大きなフィールドです。そこに各チームが作ったロボットそれぞれが"アライアンス"という3チームのグループを作り、3vs3で戦うのがFRCのゲームの流れです。ゲーム時間は2分半あり、最初の15秒はプログラムによる自動制御、そしてその後の2分15秒は人間によるマニュアル制御が可能となります。
ルールのの主題は"CRESCENDO"で、だんだん大きくなる、盛り上がるという意味の音楽の用語です。そのテーマに沿って、ノート、呼ばれるオレンジ色の大きい輪っか状のピースを床から拾ったりして両端にある2mほどの高さのゴールに投げ入れるというものです。
下記にあるYoutubeを見ていただけるとわかりやすいと思います。
難しいのはこのリング状のゲームピース。
固そうに見えますが、クッション性でかなりふにゃふにゃしています。このピースをいかに2m上に飛ばすかが勝敗の分け目となっています。
エアーコンプレッサーを用いて上に打ち上げたり、ローラーを回して上に押し出すなど様々な戦略が考えられます。
またこのゲームはポイント制で、フィールドの両端に設置されているアンプとスピーカーにゲームピースを投げ入れる形でポイントが入ります。
左側がスピーカーと呼ばれるゴールで、180cmくらいの高さがあります。下からピースを入れることで得点することができます。また右側がアンプと呼ばれる低めのゴールで、黒く穴が空いている部分にピースを入れることによってスコアが可能です。
最後にフィールドの真ん中にあるチェーンについてです。ロボットはゲームが終わる15秒ほど前になると真ん中にある三角形状のステーションに向かい、更なる得点を目指します。ステーションにはチェーンがそれぞれ貼られており、そこにロボットがぶら下がることによってさらにボーナスポイントを得ることが可能です。
重さが50kgを超えることもあるロボットをこのような不安定なチェーンにぶら下げるにあたって正しいモーターの出力や落ちた時に故障をしないような設計が必要となります。
ゲーム終了後、より多くのポイントを獲得したアライアンスの勝利となります。同じアライアンスの中でも勝利に大きく貢献したチームには決勝へ進むためのポイントが多く与えられます。アライアンスの仕組みや、ゲームの更なる詳細など説明しきれていない部分もありますので、興味のある方はぜひルールブックに目を通してみてください!
以上、簡単ではありますが2024年のFRCのゲーム、CRESCENDOのルール解説をさせていただきました!今はビルドシーズン真っ只中なので、ロボットの製作状況や更なる解説など投稿をしていきます。
もし良ければ、X(旧twitter)も更新していますのでそちらの方もご覧ください!
ありがとうございました。
Hibana Technology
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